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「ヘルメット帽子」は安全? EN 812とBUMP HATを解説

この記事の結論

EN 812は産業用バンプキャップの欧州規格で、ヘルメットの規格ではありません。頭を硬い物にぶつけたときなどの比較的軽度な衝撃から頭部を守るための基準です。Vaikobi BUMP HATは、EN 812の考え方に2mmの硬質シェルと6mmの衝撃吸収フォーム、そして水上で使うための素材・通気性・UV対策を組み合わせた、帽子とヘルメットの中間にあたる頭部プロテクションです。

EN 812から考える、Vaikobi BUMP HATという頭部プロテクション

最近、「ヘルメット帽子」「インパクトキャップ」「バンプキャップ」と呼ばれる製品を見かける機会が増えてきました。

見た目は普通のキャップやハット。でも、その内側には樹脂製のシェルや衝撃吸収材が入っていて、「普通の帽子より頭を守れそう」と感じる商品です。

ホームセンターや通販サイトでは作業用の商品も多く、サーフィンやSUPなどのマリンスポーツ向けにも、似た考え方の商品が少しずつ増えてきました。

では、こうした「ヘルメット帽子」はどれも同じなのでしょうか。

Vaikobi BUMP HATを理解するうえで、まず知っておきたいのが、

EN 812

という規格です。


EN 812とは?

EN 812は、ヨーロッパの

Industrial Bump Caps
= 産業用バンプキャップ

に関する安全規格です。

ここで最初に大切なのは、

EN 812は、本格的な安全ヘルメットの規格ではない

ということです。

落下物や高速での大きな衝突から頭部を守るためのヘルメットとは、目的が異なります。

EN 812が想定しているのは、頭を硬い物体にぶつけた際などに起こる、比較的低エネルギーの衝撃。

つまり、

打撲、擦り傷、切り傷などのリスクを軽減するための頭部プロテクション

という位置づけです。

「ヘルメットほどの保護性能は必要ない。でも普通の帽子だけでは少し不安。」

その間を埋める考え方が、Bump Capです。


「衝撃吸収材入り」だけでは分からない

最近は、帽子の内側にクッション材や樹脂パーツを入れた商品も増えています。

ただし、

中に何か入っていることと、安全規格に基づいて設計されていることは別です。

見た目だけでは、その商品がどの程度の衝撃を想定しているのかは分かりません。

「衝撃吸収材入り」

「プロテクションパッド搭載」

という言葉だけでなく、

どのような構造なのか。
そして、どのような基準で評価されているのか。

ここを見ることが重要です。

Vaikobi BUMP HATの場合、その一つの基準になっているのがEN 812です。


Vaikobiが面白いのは、Bump Capを海に持ってきたこと

Bump Capという考え方自体は新しいものではありません。

もともとは工場や倉庫、整備作業などの現場で使われてきた頭部プロテクションです。

Vaikobiが面白いのは、

その考え方をウォータースポーツで実際に使える形へ落とし込んだこと。

海では、作業現場とはまったく違う性能が求められます。

濡れる。

強い日差しを受ける。

長時間着用する。

風を受ける。

大量に汗をかく。

SUPやサーフィン、フォイル、セーリングでは、頭を大きく動かし続けます。

だから単純に「作業用のバンプキャップを海で被ればいい」という話ではありません。

プロテクション性能だけではなく、

軽さ、フィット感、通気性、速乾性、視界、そして水上での動きやすさ

まで考える必要があります。


Vaikobi BUMP HATのキーは「2mm+6mm」

Vaikobi BUMP HATの構造を見ると、非常に分かりやすい特徴があります。

2mmの硬質モールドシェル

そして、

6mmの低反発・衝撃吸収3Dフォーム

です。

単に厚いクッションを帽子の中に入れているわけではありません。

役割の違う二つの素材を組み合わせています。


2mmの硬質モールドシェル

まず外側にあるのが、硬質のモールドシェル。

ボードのレールやパドルなどが頭に当たったとき、衝撃が狭い一点に集中すると、その部分には大きな力が加わります。

硬質シェルは、その衝撃をまず受け止めます。

そして、

一点に集中した力を、より広い面へ分散する。

これが重要な役割です。

柔らかいフォームだけで受けるのとは、構造的な考え方が違います。


6mmの低反発・衝撃吸収3Dフォーム

その内側に配置されているのが、

6mmの低反発3Dフォーム。

シェルで受け止め、分散された衝撃を、今度はフォームで吸収します。

つまり構造としては、

衝撃を受ける
→ 広げる
→ 吸収する

という流れです。

この、

2mm HARD SHELL
+
6mm LOW-REBOUND 3D FOAM

がVaikobi BUMP HATの大きなポイントです。


「6mmのクッション入り」とは意味が違う

ここは商品を選ぶときに意外と重要です。

「6mmのパッドが入っています」

だけなら、厚さの説明にすぎません。

Vaikobiの場合は、

硬質シェルと低反発フォームを組み合わせた二層構造

として設計されています。

さらに、この構造をEN 812という規格に基づいて評価している。

だから、

2mm+6mm+EN 812

は、それぞれ別々の特徴ではありません。

3つがセットになって、Vaikobi BUMP HATのプロテクション設計を作っています。


でも、厚くすれば安全というわけではない

だったらもっと厚くすればいいのでは?

と思うかもしれません。

しかしウォータースポーツでは、ここが難しいところです。

プロテクション材を厚くすると、

重くなる。

暑くなる。

水を含みやすくなる。

頭を動かしにくくなる。

視界を邪魔する可能性も出てきます。

そして何より、

快適でなければ、結局使わなくなる。

安全装備は、持っているだけでは意味がありません。

実際に着用されて初めて機能します。

Vaikobiはそのため、3Dフォーム内部にも空気を流すためのチャンネルを設け、帽子側にもベンチレーションを持たせています。

目指しているのは、

できるだけ大きく、厚く、硬くすることではありません。

水上で動き続けながら、必要なプロテクションを追加する。

それがBUMP HATの考え方です。


マリンスポーツ用の帽子との違い

DAKINEをはじめ、サーフィンやマリンスポーツの世界には非常に優れたサーフハットやウォーターキャップがあります。

日差しを防ぐ。

風で飛ばされにくい。

濡れても乾きやすい。

長時間被っていても快適。

こうした性能は、ウォータースポーツでは非常に重要です。

一方で、一般的なサーフハットの主な目的は、

UV対策や快適性

です。

BUMP HATでは、そこにもう一つ、

衝撃に対するプロテクション

という考え方が加わります。

だからVaikobi BUMP HATを一般的なサーフハットと単純に価格比較するのは、少し違います。

カテゴリーそのものが違うからです。


「ヘルメット帽子」との違いは?

逆に、通販などで販売されている一般的な「ヘルメット帽子」や「作業用バンプキャップ」と比較するとどうでしょうか。

ここでは、EN 812を取得している製品もあります。

つまり、

EN 812だからVaikobiだけが特別

というわけではありません。

むしろ重要なのは、その先です。

Vaikobiは、

EN 812というBump Capの考え方に、

ウォータースポーツ専用の素材・フィット・通気性・速乾性・UV対策

を組み合わせています。

つまり、

作業用Bump Capを海に持ってきたのではなく、海で使うためのBump Hatを作った。

ここが大きな違いです。


では、ヘルメットはいらない?

いいえ。

ここは明確に区別する必要があります。

Vaikobi BUMP HATは、

ウォータースポーツ用ヘルメットの代用品ではありません。

大きな衝撃が予想される環境では、用途に適したウォータースポーツ用ヘルメットを選ぶ必要があります。

例えば、

岩場やリーフへの強い衝突。

ホワイトウォーター。

高速でのフォイル。

大きなエネルギーを伴うクラッシュ。

こうした環境では、より高いレベルの頭部保護が必要です。

BUMP HATを着用しているから、あらゆる衝撃に対応できるわけではありません。


CAP、BUMP HAT、HELMET

頭部プロテクションは、二択ではありません。

考え方としては3段階にすると分かりやすくなります。

CAP / HATBUMP HATWATERSPORTS HELMET
UV対策◎◎製品による
軽さ・快適性◎◎〜○○〜△
衝撃保護構造基本なしありあり
硬質シェル基本なし2mmあり
衝撃吸収フォーム基本なし6mm 3Dフォームあり
規格通常なしEN 812EN 1385等
主な役割UV・快適性比較的軽度な衝撃への保護より大きな衝撃への保護

大切なのは、

どれが一番良いかではありません。

その日のスポーツ、場所、速度、コンディションに対して、

どこまで頭部を保護する必要があるか。

それを考えて選ぶことです。


SUPやSURFで考えてみる

SUPサーフィンなら、

ボードのレール。

フィン。

パドル。

浅いリーフ。

SUPレースでも、

スタート時にボード同士が接触したり、パドルが接触したり、フォールした際に自分のボードが戻ってくることがあります。

もちろん、だからすべてのSUPでヘルメットが必要だという話ではありません。

ただ、

「普通の帽子だけでいいのかな?」

と思う場面は確実に存在します。

そのとき、

いきなり本格的なヘルメットを選ぶのではなく、

BUMP HATという中間の選択肢がある。

これはウォータースポーツにとって、かなり意味のあることだと思います。


FOILやSAILINGではさらに重要になる

フォイルやセーリングでは、頭の周囲にある硬い道具がさらに増えます。

ブーム。

マスト。

フォイル。

フューサレージ。

ウイング。

ボード。

だからこそ、単に日差しを防ぐだけではなく、

「頭に何かが当たったとき」

まで考えた装備という考え方が出てきます。

ただし、高速フォイルなど、より大きな衝撃リスクがある場合にはBUMP HATではなく、適切なヘルメットを選ぶべきです。

ここはリスクに応じて使い分ける必要があります。


ヘルメットか、何もなし。ではない。

これまでウォータースポーツでは、

ヘルメットを被るか。
普通の帽子を被るか。

この二択になりがちでした。

でも、その間には大きなスペースがあります。

そこにあるのが、

BUMP HATという選択肢。

普通の帽子の軽さや快適性を大きく失わずに、

頭部プロテクションという機能を追加する。

Vaikobi BUMP HATでは、

EN 812

2mmの硬質モールドシェル

6mmの低反発・衝撃吸収3Dフォーム

この3つを軸に、その考え方を形にしています。


普通の帽子より、ひとつ上のプロテクション。

BUMP HATは、ヘルメットではありません。

そして、普通の帽子でもありません。

だからこそ意味があります。

今日の海はどんなコンディションなのか。

自分はどんな道具を使うのか。

どのくらいのスピードで動くのか。

周囲に何があるのか。

PFDをコンディションに合わせて選ぶのと同じように、頭部のプロテクションについても考えてみる。

CAPとHELMETの間に、BUMP HATという選択肢を。

Vaikobiが提案しているのは、そんな新しいウォータースポーツの安全の考え方です。

よくある質問

Q. EN 812はヘルメットの規格ですか?

A. いいえ。EN 812は産業用バンプキャップの規格で、落下物や大きな衝突から頭を守るヘルメットとは目的が異なります。打撲・擦り傷・切り傷など、比較的軽度な衝撃のリスクを減らすための基準です。

Q. ウォータースポーツ用ヘルメットの規格(EN 1385)との違いは?

A. EN 1385はカヌーやホワイトウォーターなどで使うウォータースポーツ用ヘルメットの規格で、より大きな衝撃からの保護を想定しています。EN 812はそれより軽度な衝撃を対象としたバンプキャップの規格です。

Q. BUMP HATをかぶればヘルメットは不要ですか?

A. 不要にはなりません。岩場やリーフへの強い衝突、ホワイトウォーター、高速のフォイルなど、大きな衝撃が予想される場面では、用途に合ったウォータースポーツ用ヘルメットを選んでください。

Q. 普通のサーフハットとの違いは?

A. 一般的なサーフハットの主な目的はUV対策と快適性です。BUMP HATはそれに加えて、2mm硬質シェルと6mm衝撃吸収フォームによる「衝撃からの保護」という役割を持っています。

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商品・ガイド

監修・編集:Vaikobi Japan(バイコビジャパン株式会社)

オーストラリア発のウォータースポーツブランド Vaikobi の日本総代理店。SUP・カヤック・サーフスキー・セーリング・フォイル向けのPFD(ライフジャケット)、パフォーマンスウェア、プロテクションギアを取り扱っています。製品情報は Vaikobi 本社の資料をもとに掲載しています。